リンドウの季節

9月の初め。街はまだまだ夏ですが、高山は秋の気配です。私は山でリンドウを見かけると秋を感じます。まっすぐに伸びた茎の先に、紫の蕾のような花をつけるリンドウは秋の訪れを知らせる高山植物の1つです。みなさんもきっといろいろな山でリンドウを見かけていることでしょう。

リンドウを見かけたとき、私はその茎の先端の花のつき方を見るようにしています。茎の頂上のみに花をつけているのが「オヤマリンドウ」、頂上だけでなく、その下にも花をいくつもつけているのが「エゾリンドウ」。生えてる場所もオヤマリンドウは登山道の脇、エゾリンドウは湿った場所という違いもありますが、花のつき方で見分けるのがわかりやすいです。

見応えがあるのは花をたくさんつけるエゾリンドウ。街の花屋で売っているリンドウは見栄えが派手なエゾリンドウの改良種です。次にリンドウを見かけたとき、こういった小さな違いを見つけてみると山歩きが楽しくなります。

なお、オヤマリンドウもエゾリンドウも花をあまり開きません。もし花を開いているリンドウを見つけたとき、それは「リンドウ」です。

オヤマリンドウ(左/上) エゾリンドウ(右/下)

花が開くのは(なにもつかない)「リンドウ」