積雪期の山に行くと、雪の彫刻「シュカブラ」を見ることができます。シュカブラは「雪紋」とも呼ばれ、風により雪面が削られてできた彫刻のような波模様です。数センチの小さな模様から、数十センチの大きな模様まで、その大きさは様々ですが、これは風の強さや雪の運ばれやすさによって変わります。一見、きれいなシュカブラですが、山を登っているときはちょっと視点を変えてみてください。風がどちらから吹いていて、雪が運ばれているのかーーこの情報は雪崩のリスクを知る手がかりになります。風によって運ばれた雪が積もったところは、他のところよりも雪の重みが大きく、雪崩れる可能性が高いです(ウインドスラブ)。シュカブラから雪崩が起きやすい場所(発生点)を見る、そういった視点も雪山では大切です。
ここでクイズ。風はシュカブラのどちらから吹いている(吹いていた)のでしょうか? …答えはシュカブラの削れている方(低くなっている方)が風上(風が吹いてきた方)です。